2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

カレンダー

今、我が家にはカレンダーがない。 母がいた頃は、デイサービスで綺麗に色を塗って持って帰ってくるカレンダーを毎月使っていた。 他にも、色々と絵を持ち帰ってきては、リビングに飾った。 意外と母の色彩感覚が面白く、毎月のカレンダーが私の楽しみになっ…

父と母の関係性

納骨で帰省した最終日、東京に戻る前に父に会いにいった。 その日は、私達夫婦と姉夫婦、そして姉の旦那さんのお母様も一緒だった。 インフルエンザや風邪予防の為、施設の玄関先で手を消毒し置いてあるマスクを着用し部屋へ向かった。 姉の旦那さんを見て、…

お節介な人

帰省中、父に会いに行っていた時のこと。 部屋に知らないオバサンが入ってきて、 「アンタ、誰ね!」 (いやいやいや…。それはこっちの台詞だよ。) 「娘のくまこです…。」 「あぁ、一番下のくまこさんねぇ。そう言えば、母ちゃんアンタが。」 (まずい。父…

母は可哀想だったのか?

納骨で帰省中に、いつもお世話になっていた村の商店に顔を出した。 普通ではあり得ない話だが、私が子供の頃からいつまでに払うからと言っては、それを過ぎてしまったとしても期限を催促せずに「ツケ」で食料品等を購入させてくれていた店だ。 私は帰省の度…

母も来てる…?!

納骨の翌日、皆で父に会いに行った。 先に皆で入ってもらって、私は施設の職員さんと話してから父の部屋へ向かった。 「お義父さん、喋ったよ!俺が会いに来るのが遅くなってごめんねって言ったら、首を縦に振りながら、よか。って。」 私が、 「父ちゃん、…

父の状態②

9日間の滞在の最終日。 夫が、 「お義父さん、また会いに来るから。次会った時は腕相撲で俺と勝負してね。」 そう言って、父の左手を触ると物凄い力で握り返してきた。 「お義父さん、ありがとう。腕相撲しようね。お義父さん、ちゃんとわかってるもんね。」…

父の状態①

納骨の翌日、施設に入居している父を皆で訪ねた。 そこで起きた不思議な体験を話す前に、父の状態に触れておこうと思う。 父は、5年程前に脳梗塞で倒れた。 いつものように農作業の為、1人で畑に行っていた。 夕方になっても帰って来ない父を心配して、母が…

四十九日

1月末に四十九日と納骨で田舎に帰省した。 長女、長男、二男は来なかった。 予想外だったのが田舎の姉の子供達が駆けつけてくれたことだった。 私と姉は大幅に年の差があり、尚かつ姉は早くに結婚しているので、1番年が近い姪は私と6つしか違わない。 全員、…

姉の感覚

他の兄弟と多少ゴタゴタして、墓等の色々な問題もあるが、田舎の墓に納骨する事になった。 四十九日の手配等は、田舎にいる姉にお願いしていた。 地元の空港に昼過ぎに着く便なのだが、15時からお寺で四十九日の法要を行い、そのまま墓に移動して納骨すると…

姑からのメール

49日と納骨で田舎に帰省する日が近づいた頃、姑からメールが届いた。 「もうすぐ、帰省ですね。もう、傷は癒えましたか?納骨を終えたら、全ての悲しみ等の感情は田舎に置いてきなさい。それが、49日の本来の意味というものですよ。わかっていますか?」 正…

ぴんぴんころり

今まで、少し書いているが、姑がかなり苦手だ。 母が亡くなってから、苦手を通り越して嫌いになった。 母が亡くなって、1週間程経った頃、 「あれが本当のぴんぴんころりだわよね。理想だわ。」 それ以降、会う度に言ってくる。 母は苦しまなかったという、…

昔の母の言葉

私が中学生だったか高校生だった時。 夜、隣で寝ている母が、 「あんたはごらしかね。(可哀想ね)母ちゃんが39の時に産んだから、兄弟の中で一番母ちゃんと居れる時間が短いよ。」 なんとなく、この言葉が自分の中に残っていた。 あれから、18年程経って2年…

ふとした瞬間

母が亡くなってからの半年間は、家でも外でも所構わず、突然涙が出たりして困った。 当初は、18年振りに母と同居した2年間を思い出すのが辛かった。 むしろ、この一緒に暮らした2年間がなかったらもう少し楽だったのではないかと考えたりもした。 3年前、夫…

衝撃的な言葉

長男と二男のバトルの翌日、私はこのまま連絡をとりたくないと思っていた。 でも出棺の時、母に兄弟仲良くするって言ったし、納骨の問題もあるし、まだ施設に入居している父もいるし。 父については、4年程前に脳梗塞で倒れ施設に入居しているが、発作を繰り…

長男と二男のバトル

葬儀の翌日、二男が長男に電話した。 本来であれば、長男が電話して来いと思う。 私や二男は家族だから別にいいが、私の夫には一言もないのは筋が違うのではないか。 「もしもし、兄貴。昨日、無事に終わったから。」 「あぁ、そうか。」 「今日の夜にでも、…

介護中の思い出(お菓子編)

母は、認知症だった。 父が脳梗塞で倒れ入院して、一人になった途端様子がおかしくなった。 当時、東京から田舎の母に電話すると、日にちや時間を朝5時と夕方5時がわからなくなっていたりと気になる事が増えていったので、私達夫婦と一緒に暮らし始めた。 デ…

葬儀当日③

最悪な気分だが、まぁ葬儀当日だし、そんな長電話にはならないだろうと電話に出た。 「もしもし。ご無沙汰しています。」 「急な事でびっくりしたわ。あんたが、ずっと東京で面倒みてたんやろ。時々、あんたの姉ちゃんからは話聞いてたわ。今、娘から話聞い…

葬儀当日②

エンディングメイクをした母は、こんな顔してたんだと思う程、綺麗だった。 皆で花を沢山飾ってあげた。 「生まれてから一度も田舎を出た事ないのに、70過ぎてから東京へ連れてきてごめんね。本当は嫌だっただろうに、出てきてくれてありがとう。これからは…

葬儀当日①

母の葬儀当日。 参列者は、私と夫、二男、姑だけのつもりだった。 他の兄弟が来なかったので、地元ではないし仕方ないと思っていた。 が、来なくてよい人が来ると姉から連絡があった。 私のいとこだ。 私の父の妹の娘。 二男と同じ私の7つ上。 埼玉に住んで…

葬儀にも参列しない兄弟

私は5人兄弟の1番下なのだが、長女とは18、1番近い二男とでさえ7つ離れている。 兄弟というより、親戚のような感覚で育った。 母の葬儀に参列したのは、二男だけだった。 次女は、地元に暮らしていて施設入居している父の世話をお願いしている。 危篤状態だ…

何してたんだろう

私は、何してたんだろう。 産んで育ててもらったことに大して感謝もしないままこの歳まで生きてきてしまった。 18の時からずっと、5人兄弟の1番下の私だけが親の借金返済や生活費の面倒をみてきた。 3000万円以上にはなる。 その過程で、両親や他の兄弟への…

不思議な現象

母が亡くなって、しばらくたった日のこと。 夜中にある気配で目が覚めた。 急に、部屋の空気が動いている感じがして、布団に誰かが近づいてくるような、ズシッとした感覚があった。 普通に母親だろうと妙に納得した次の瞬間、パサっと紙のような何かが落ちた…