葬儀当日②

エンディングメイクをした母は、こんな顔してたんだと思う程、綺麗だった。
皆で花を沢山飾ってあげた。
「生まれてから一度も田舎を出た事ないのに、70過ぎてから東京へ連れてきてごめんね。本当は嫌だっただろうに、出てきてくれてありがとう。これからは、兄弟仲良くするから、心配しないで大丈夫だからね。」
そう言って、送り出した。
御経の間も、ただただありがとうと心の中で繰り返した。

火葬の間、予約してあった食事を皆でとった。
いとこが、二男に他の兄弟は何故来ないのか、叔母に今日の事を報告する事になってるから、大変な事になるよ等と一人で騒いでいた。
まぁ、他の兄弟が参列しない事が普通ではない、非常識だという事は、私も思っているが。

「今日はね、娘達に社会科見学をさせに来た。」
どう思おうが勝手だが、一々口に出すなよ。腹立つから。自分の親の葬式でやれ。
トレーナーにデニム、スニーカーで参列して恥ずかしい。
そのような事ばかり、内心考えイライラしていたが、子供達や姑も居た為、なんとか堪えた。

とりあえず、葬儀は無事に終了し、皆で駐車場に向っていると、
「オカンがくまこと話したいから、ちょっと電話代わってっていってるわ。」
なんとなく予想はしていたが、気分は最悪だ。

この後、改めて頭のおかしい母娘だと思い知らされることになる。

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