姉の感覚

他の兄弟と多少ゴタゴタして、墓等の色々な問題もあるが、田舎の墓に納骨する事になった。
四十九日の手配等は、田舎にいる姉にお願いしていた。
地元の空港に昼過ぎに着く便なのだが、15時からお寺で四十九日の法要を行い、そのまま墓に移動して納骨するという流れ。
「空港からまっすぐウチに来て、ウチで軽くお昼食べて、その間に母ちゃんは車に置いといて皆で寺向かえばいいでしょ。ちょっとバタバタするけど、初日に済ませた方が、あんた達もその後ゆっくりできると思ったから、その日程で予約しといたよ。」

(ん??遺骨を車に乗せたまま?私達が姉の家でお昼を食べる間、母は車に置き去り?)

その場は、日程等を話して電話を切った。

その日の夜、その件を夫に話した。

「えっ?何で?普通に一旦家にお義母さんも入れて、お茶とか何か出してくれないの?むしろ、遺骨を撫でて、よく帰って来たねくらいあるもんだと勝手に俺は想像してたけど。もし、嫁ぎ先でしづらいとか言うなら、俺も昼飯はいらない。お義母さんと車の中で待ってるから、そう伝えて。」

翌日、姉にその事を伝えた。

「そっか…。それだと、くまおさん可哀想だし…。じゃ、玄関先に母ちゃんの席を用意するよ…。」
何とも歯切れの悪い返答だった。

田舎に納骨をする事を希望したのは姉だった。

「東京に行く前に、母ちゃんはここに絶対戻ってくるんだからって言ってたんだから。東京よりも絶対ここがいいに決まっている。」

そう力説していたのだが、そもそも、当初は姉の家をリフォームして同居できるようにするから、それまで東京という話だったのだが。
母が東京に来てから、2ヶ月程でその話もなかったことになり。

母はもう居ないよ。
居なくなってから、力説されても…。

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