母も来てる…?!

納骨の翌日、皆で父に会いに行った。
先に皆で入ってもらって、私は施設の職員さんと話してから父の部屋へ向かった。
「お義父さん、喋ったよ!俺が会いに来るのが遅くなってごめんねって言ったら、首を縦に振りながら、よか。って。」
私が、 「父ちゃん、ただいま。会いたかったよ。」
と言うと、私の顔をじっと見てくるのだが、私の左肩側を覗き込み続ける。
皆、その様子を不思議そうに見ていた。

父は、倒れてからも夫が演歌を歌うと楽しそうに聴いているので、
「お義父さん、久し振りに演歌を歌うからね。」
そう言って、2曲を歌った。(個室なので)
父は楽しそうに、聴いていた。
次に、母が亡くなる前に好きだった曲を歌った。
父の知らない曲だ。

すると、途中で父が、
「〇〇〇〇さん、〇〇〇〇さん、〇〇〇〇さん、〇〇〇〇さん、〇〇〇〇さん。(夫の名前)」
と繰り返しはっきりと喋った。
夫が泣きながら、
「お義父さん、そうです!〇〇〇〇です!俺のことわかってくれた!ありがとう!」

次に私を見て、
「〇〇〇。〇〇〇。〇〇〇。」
私の名前もはっきりと喋った。

そして、ある一点を見て、
「〇〇〇(母の名前)」
と喋った。
倒れてから4年以上、はっきりと喋るのは「イヤ」「バカ」「イエ」くらいしかなかったのに。

あまりの出来事に、皆驚きすぎてシーンとなってしまった。
その後、姉や甥や姪の顔を見ては泣いたり笑ったりしていた。

帰りの車の中で夫が、
「さっきは、名前を呼んでくれた嬉しさと驚きであまり考えなかったんだけど、お義父さんて、今まで俺の事をさん付けで呼んだことないよな。いつも呼び捨てだし。あとは、皆あだ名で呼んでくれてるから、唯一さん付けで呼ぶのってお義母さんしかいないんだけど。」

また、皆シーンとなった。
姪が、
「やっぱ、婆ちゃん来てたんだよ。」
続けて姉も、 「さすがに、母ちゃんも一人では父ちゃんとこ行きづらかったんじゃない。だから、最初アンタの左後ろに隠れてて、父ちゃんがずっと見てたんじゃないの(笑)」

「お義母さんがきっと、この人は〇〇〇〇さんよ!〇〇〇〇さん!って繰り返し教えてたんだろうね。びっくりしてる俺達を見て、お得意のドヤ顔してたと思うよ(笑)」

亡くなる数時間前に、父の事を話していたので、やっぱり気になってたんだね。

あの時、皆同じ空間に居たんだね。

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