待っててね
令和になった昨日、父の誕生日だった。
父は脳梗塞で倒れ、要介護5の状態で施設に入居している。
胃瘻をしていて、自分で寝返りもうてないし、言葉も失っている。
元々、体力自慢の人だったので、こういう展開になるとは想像さえもしていなかった。
今も元気だったなら、誕生日が新元号に変わる記念すべき日だと話していただろう。
母にしても、東京で一緒に暮らして2年で居なくなってしまうなんて思いもしなかった。
来年のオリンピックも当然一緒に見られるものだと思っていた。
当たり前の事なんて何一つないのかもしれない。
きっと今頃、父はベッドの上で天井を見つめているだろう。
12月には、母の3回忌があるので帰省するが、来年の父の誕生日は隣で一緒に祝いたいと思っている。
母には伝えられなかった感謝の気持ちを、その分、父に伝えたい。
だから、毎日孤独だろうけどもう少し待っててね。