守られていた
母が亡くなる半年程前から、
「母ちゃんが死んだら、アンタのことは絶対守ってあげるから」とよく言っていた。
その時の私は、長期に渡る微妙な母娘関係と介護生活に疲れていて、そんな言葉などどうでもいいから、日々の事をもう少しなんとかして欲しいと思っていた。
一緒に暮らした最後の2年間、しょっちゅう派手にケンカした。
その時は、このクソババアいつまで私を苦しめれば気が済むんだと、これ以上にここには汚すぎて書けない事も考えたりした。
当時は、父も倒れ母の認知症が始まり、他の兄や姉は全く母の面倒を見る気もなかったので、仕方なくという感じだったが、今思えば私がそうしたかった、母と一緒に暮らしたかったのだと思う。
最後に、母は私を甘えさせてくれたのだと今は思う。
自分がしてあげている、面倒をみてあげているとばかり思っていたが、守られていたのは私だった。
今も、あの時の母の言葉に守られている。