家中にアレが…
母が電話に出ないので、心配になり急いで帰宅した。
いつも私は、母が留守番するにしても自分で鍵をしめて出掛ける。
オートロックを解除して、自宅の玄関を開ける。
が、何故か中からロックされて数センチしか開かない。
非常に焦った私は、その数センチに顔を近づけ、母を必死に呼んだ。
とりあえず、すぐ応答はあったのでホッとした。
玄関まで来るように言って、なんとかロックを外すように、数センチの隙間から指を入れたりして説明した。
これまた、時間がかかる…。
そうこうしている間に、夫も帰宅した。
そして、無事に家の中へ。
何故、ロックをしたのか聞いてもよくわからないと言う。
というか、機嫌が悪く睨むような顔をする。
そして、家の中が臭い。
臭すぎる…。お食事中の方には申し訳ないが、便の匂いが凄すぎる…。
慌てて、トイレを開けると、便座から床まで非常に汚れていた。
急いで、掃除をした。
母の部屋を見に行くと、拭き取ったタオルがゴミ箱に突っ込んであった。
それも片付けたが、まだ臭い。
洗面所がとても臭い。
洗面所の排水口付近も汚れていたが、一番驚いたのは、洗面台下の洗剤等を置いている場所だった…。
まさかの洗濯ネットに、大量の便まみれになった下着やズボンが入れられていたのだ。
私は、発狂してしまった。
非常に良くない事だが、片付けをしながら母を責めてしまった。
それに対して母も、上京してからのストレスでキレてしまい、お互い激しく罵り合った。
よく見ると、母の手の爪にもびっしり便がついている。
見かねた夫が、
「あら、お義母さん、かわいそうに。手にもそんなついちゃって。おいで。俺と一緒にキレイにしようか。」
そう言って、また買うからと、歯ブラシで母の爪一本一本を丁寧に掻き出して洗ってくれた。
夫は声を荒げたりしないので、母も夫には素直だ。
「お義母さん、もうお腹は痛くない?怒られ疲れたから、ゆっくりお茶とお菓子食べようか。」
私に対しても、他の事は仕方ないけど、排泄の失敗は絶対に怒らないで欲しい、後始末も自分がやったっていいから、今後この事で母を怒らないで欲しいと言われた。
母にも夫にも、申し訳ないと思った…。
その後も色々あり、介護認定申請を行うことにした。