あの日のこと④

14時半頃から寝始めて、16時40分頃に目が覚めた。
電気を消していたので、12月ということもあり家の中は暗かった。
夫がトイレに向かおうとした時に、母が自分の部屋から出てきて、トイレに入った。
「お母さんに先入られちゃったよ。」
その後、母はきちんと水を流し自分の部屋に戻った。
入れ違いで入った夫もすぐ出てきた。
2分も立っていなかったと思う。

その時、母の部屋から変な音が聴こえた気がした。
トイレの前が母の部屋だったので、夫の方が早く異変に気がついたのだろう。

「お母さん?お母さん??お母さん!!!くまこ、救急車!!!脳梗塞かも」

私はパニックになってしまい、電話を握りしめ母の部屋に飛び込んだ。
電話ができずにいる私を見かねた夫が救急車を呼んだ。

母はトイレをすませ、またベッドに入ろうとしていたのだろう。
ベッドに腰掛け後ろの壁にもたれかかったまま、大きなイビキのようなものをかいていて、何も応答しなかった。
救急隊員が3人入ってきて、母の体に何かを貼り付けた。
「最後まで救命医療ができる〇〇病院へ少し遠いですが搬送します。」

救急車の中では、心臓マッサージが続いていた。
冷静に考えれば、心臓マッサージなのだから相当危険な状態だったのだろうが、父が脳梗塞で倒れていたこと、イビキのような状態だったことで勝手に脳梗塞かもしれないと思っていた。

病院に着いて、別室で夫と待っている間、田舎に住む姉に電話した。
状況を説明すると、
脳梗塞かな?父ちゃんは発見まで時間がかかりすぎたから、今の状態になっちゃったけど、母ちゃんは大丈夫でしょ。」と言った。

私はただただ祈るしか出来なかった。

もうトイレを汚しても、洗濯物大量に毎日出しても怒らないから。デイやショートも行きたくないなら無理に行かなくていいから。もう怒らないからもっと話をたくさんたくさん聞くから。
だから助かって。 母ちゃん、お願いだから助かって。
助けてください。

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