認めてあげれば良かった
母に対して、いくつか後悔していることがある。
今更、考えても仕方ないと思うのだが、ふとした瞬間に繰り返し考えてしまう。
生まれ育った田舎を仕方なく離れ、70過ぎてから東京に出てきた母。
改めて色々考えてみるが、やはり、私がここで一緒に暮らすしか方法はなかったと思う。
年老いてからの初めての環境、デイサービスやショートステイでの人間関係。
母からすれば、東京が嫌だと言っても帰れないのだから、頑張るしかなかっただろう。
孤独だったかも知れない。
母は、一生懸命頑張っていた。
なのに、私は母の頑張りを認めてあげられなかった。
認知症の母との日々をストレスに感じることの方が多かった。
もっと優しい言葉をかけてあげれば良かった。
もっと話を聞いてあげれば良かった。
もっと母の存在を認めてあげれば良かった。
母に一言だけしか伝えられないとしたら、やっぱり「ありがとう」より「ごめんね。」になってしまう。