人の指が入ってた?
介護認定審査を受けた後に、母を心療内科へ連れて行った。
別日に、脳の画像診断やカウンセラーによる診断等も受けた。
はっきりと断定出来るほどの脳の特徴は見つからなかったらしいが、レビー小体型認知症ではないかとのことだった。
ある日、病院で、「桜、電車、猫」等の5つの言葉を覚えるよう言われた。
そして、5、6分別の話をした後に再度5つの言葉が何だったのかを聞かれた。
母は、一つも答えられなかった。
その後、医者が箱を取り出し、その中身を説明した。
それを先程と同じように数分後に聞くからということだった。
スプーン、ボールペン、腕時計等の5つが入っていた。
そして数分後、母は一つも答えられなかった。
その日の夕食時、夫も診察時の話は私が既にしていたので知っているのだが、
「お義母さん、今日病院どうだった?怖くなかった?」と話を振った。
すると、母は驚く事を言い始めた。
「怖くはなかったけど、びっくりたまげたよ。テストをしたんだけど、先生が見せてきた箱の中に人の指が入ってて、これは誰の指ですか?って聞いたら、この指はあなたが困った時に助けてくれる人の指ですって言うから、本当にたまげたぁー。」
私も夫も顔を見合わせ固まった。
「お義母さんを助けてくれる人の指かぁ。凄いものが入ってたねぇ。」
母は、ご満悦だった。
もちろん、そんなものは入っていないしそんな会話もしていない。
ずっと、私も付き添って診察室に居た。
母は、私が側に居たことも忘れていたのか。
それとも、レビー小体型認知症の影響で、本当に幻覚や幻聴ということがおきていたのか。