晩御飯
我が家は、共働きで食事担当は夫だ。
毎日、朝や昼間から、ひどい時は前日の晩御飯を食べながら、「今日明日の晩御飯は何?」と尋ねてしまう。
自分の幼少期の記憶を辿っても、母に「今日の晩御飯は何?」と尋ねた記憶はほとんどない。
いつの日からか「今日は、晩御飯ある?」と尋ねていた。
私は40手前だが、その年代でも珍しいくらいの貧乏家庭で育った。
高校生の時の昼食は、売店購入か弁当持参かだったが、そのどちらもできなかった為に、昼食時になると体調が悪いと言って、保健室で寝ていた。
そして帰宅して、「今日は晩御飯ある?」と尋ねる。
母は、部屋の隅から20円渡して、ベビースターラーメンを買ってくるよう私に言う。
それに熱湯をかけ、かさましするようふやかして食べていた。
だから、あの頃の自分を慰めるかのように、「今日の晩御飯は何?」と夫に尋ね続けるのかもしれない。