常習犯?
タクシーで帰宅しようとタクシー乗り場へ。
台風の影響か、予想以上に長蛇の列。
待つこと数十分。
やっと、5番目くらいまで辿り着いた。
先頭に並んでいたOLさんが、タクシーに乗り込もうとした時、携帯電話で話しながら全く違う方向から来た初老の女性が、そのタクシーに乗り込もうとした。
声はよく聞こえなかったが、OLさんは長蛇の列を作り並んでいる私達の方を指差し、初老の女性に並ぶように伝えてくれているように見えた。
無事に、OLさんはタクシーに乗って出発した。
しかし、その初老の女性はその場を動かず、立ち止まっている。
次のタクシーはまだ来ない。
しばらくして、初老の女性は携帯電話でまだ話しながら、長蛇の列に目をやり右方向へ歩き始めた。
ようやく並ぶ気になったのか、それとも諦めたのか。
そこへ、待ちに待ったタクシーが見えた。
次の順番の方が、下ろしていた荷物を持ち上げた。
が、そこで信じられない光景を目の当たりにした。
まさかの右方向に歩いていた初老の女性が、タクシーを止めて乗り込んでそのまま行ってしまった。
その場にいた全員が、ただなすすべもなくそのタクシーを見送った。
タクシー運転手も、何故乗せた!?
あまりにもスムーズで、携帯電話でさえ偽装に見えた。
きっと、常習犯に違いない。